中古車を買うのにネットや情報誌で、色々な車の情報を見ていく中で、同じ車でも他のところより車両価格が安くて、思わず目が引かれた経験はありませんか？

実は、このようなケースの場合、大抵は詳細の記載部分をみていただくと修復歴があったり、外装や内装が訳ありだったりと相場より価格が安い理由がなぜかすぐに分かる事が多いです。

しかし、それ以外にも以下のように価格が安くなる要因があります。

たとえば

・車両の走行距離が多い
・車両の年式が古い

といった場合です。

でもプロでない車のユーザー側から見た車を購入するときの走行距離と年式の限界の目安って、一体どれくらいなのか？
何を基準にすれば良いのかって分からないですよね。

これに関しては日常的に多くの車を実際に整備しているなどのような経験が無いと、なかなか判断の難しいポイントと言えるでしょう。

そこで、今回は、自動車整備を日常業務で行なっている筆者の経験から分かりやすく【中古車選びの走行距離と年式の限界】について解説していこうと思います。

自動車の走行距離

街中を走行している一般車は、大体どれくらいの距離を走行していると思いますか？

毎日、仕事で車を通勤手段としてご使用される方もいればサンデードライバーもいますが、走行距離だけを考えるとおおよそ20万kmくらいまでが次の車に乗り換える目安距離となるかと思います。

しかし、車もしっかりとメンテナンスを行なってあげれば、新車の時から同じエンジンやオートマチックであっても30万km、40万kmと充分に走行は可能です。私も実際にそういった車は多く見てきました。

しかし、走行距離が増えるほど各部品の故障のリスクは高まりますし、足廻りのゴム部品の劣化や車のサスペンションのへたり等も必ず発生してきます。

また、それによって走行時の異音や、作動音が大きくなる等の影響も出てきます。

中古車をご購入される方自身がこれらのことを充分に理解して、中古車購入後の各部位のメンテナンスの為の出費を受け入れることが出来るのであれば、多少走行距離が多い中古車であってもご自身の望む価格なら、「買い」なのではないかと思います。

しかし、「購入後にそんな出費がかさむのは御免だ」というのが一般的な意見でしょう。

そんな方の為に目安にしてもらいたい走行距離の限界ですが、おおよそ
【10万km】
を目安にしてもらいたいと思います。

更に、10万kmまでに
・エンジンのドライブベルト類
・エンジンのタイミングベルト(最近はメンテナンスフリーのタイミングチェーンが主流)
・スパークプラグ(最近はイリジウムプラグという長寿命タイプが主流で交換目安が10万kmということが多い)
・ブレーキパッド
・足廻り部品のショックアブソーバー
・各アーム類のボールジョイントブーツ(足廻り部品の関節部位)
等々を交換済みであれば、よりその後のカーライフが安心できるものとなるでしょう。

メンテナンス履歴が分かる場合はチェックしてみましょう！

また、軽自動車は普通車と比べて走行時のエンジン回転が平均して高い傾向にあります。その分多くエンジンが運動していることになるので、これらを考慮すると軽自動車であれば6〜7万kmくらいが安心して乗れる目安距離となるでしょう。

自動車の年式

次に年式の限界の目安を見ていきたいと思います。

自動車メーカーは各車の交換・補修部品の生産を対象車両の販売が終わって以降も続けています。

しかし、年数が経って市場台数が減り、必要性も少なくなった車の部品をいつまでも新規で作り続けることは
メーカーにとっても負担になるので難しく、基本は古い車から順次部品の生産が終わっていく傾向にあります。

そういったことから、購入後のメンテナンス事情を考えると年式の購入目安は
【10〜15年前】
くらいのものが良いでしょう。

更に、購入後のメンテナンスを抜きにして年式の事情を考えてみましょう。

自動車は鉄の塊です。太陽の光(紫外線)や雨風にさらされている状態がより長期間に渡れば渡るほど、
各部位の劣化や錆の発生はより深刻な問題となってきます。

それらは、車の整備時や部品を交換する時に、ボルトが折損してしまったり、
クリップが割れてしまったり…といった＋αのトラブル発生にも繋がります。

これらを考えた時の購入目安年式も同じく
【10〜15年前】
くらいまでが良いと言えるでしょう。

しかし錆の発生に関しては、寒冷地での融雪剤や海に近い場所での潮風の影響等や、下廻りの錆止め塗装を行なっているかによって状態が大きく左右されます。こういった特殊な場合は、【5年前〜】
程か目安となるでしょう。

最後に良質な中古車を選ぶ為に…

最後に今後、より良いカーライフを送る為のポイントを再度お伝えすると…
【走行距離10万kmまでで、年式は10年前くらい】
までを目安にお車を選ばれることが、充分に満足のいく中古車に出会える限界の目安と考えて頂くと良いのではないでしょうか。