「さぁ、車に乗って出掛けよう!」
そんな時に、エンジンが掛からない…そんなトラブルに遭遇したら、焦りますよね。

エンジン掛からないというトラブルで考えられる原因の一つにバッテリー上がりがありますが、
それ以外にも様々な原因があります。

そこで今回はエンジンがかからない原因と対処法をご紹介していきたいと思います。

自分で治せる範囲のエンジンが掛からないトラブルと対処法

エンジンスターターが回らない場合

(エンジンを掛けようとしても、うんともすんとも言わない場合)

1.キーレス電池の消耗

最近の車に多い、プッシュボタンスイッチを押してエンジンを掛けるタイプのものは、
車両とキーが電波を使ってお互いに通信することで、室内にキーがあると判断してエンジンの始動許可を行います。

常にこうして通信を行うことから、最近のキーレス電池の交換推奨時期は1年〜となっています。

そして、電池切れになると通信ができずエンジンを始動することができません。
そうした場合には、キーレスをプッシュボタンに押し付けながら、プッシュボタンを押すとキーと車両の認証ができて始動が可能になります。

こうした電池切れの際の対処法は取扱説明書にも記載されているので、一度確認しておいたほうがよいです。

そして注意点としてキーレスの電池は必ず同じ規格のものを使うようにしましょう。

ただボタン電池の大きさが同じというだけが判断基準ではないので、今ついている電池を確認するか取扱説明書で電池の種類を確認してくださいね!

2.キーレスの側に電子機器を置いている

先ほど説明したように、プッシュボタン式の車はキーと通信を行なうことでエンジンの始動許可を出しています。

強い電波を出すもの、時には携帯電話の電波や車用の空気清浄機などの電装用品による電波障害で、きちんと通信ができずにエンジンが始動できないこともあります。

まずは、キーから携帯電話を離したり電子機器の電源を切ってからエンジン始動を試みてみましょう。

まれに、社外品のLEDタイプのルームランプから発生するノイズにより電波が乱れて、正確に通信が行えないこともありますので、この点も注意が必要です。ちなみに、これは整備士である私自身も実際にお客様のお車で遭遇したことがあるトラブルです。

3.ブレーキ、またはクラッチを踏んでいない

安全の為もあり、最近の車はAT車であればブレーキ、MT車であればクラッチを踏みながらでないとエンジンを始動できないものもありますので、一度落ち着いて確認してみましょう。
また、AT車の場合はPレンジまたはNレンジに入っていることも条件になります。

4. ガス欠

ガス欠も十分に考えられる原因です。もしかしたら、ふと燃料の残量を見落としてるかもしれませんのでチェックしておきましょう。

IG-ONの状態にして燃料メーターの目盛りを確認してみましょう。

ここまではエンジンスターターが回らない場合にご自身でも簡単に確認できるエンジンが始動できない原因でしたが、次にプロの整備士に診断してもらわないと判断の難しい原因を簡単にご紹介していきます。

5.イグニッションスイッチの故障

キーをキーシリンダに挿して回すことでエンジンを掛けるタイプの車には、ハンドルのコラムの中に「イグニッションスイッチ」と呼ばれるキーを回した状態をスイッチングによる電気回路で信号を出している部品があります。長年繰り返し使っていく中で、この部品の内部基盤が焼けたり磨耗することで接点不良が発生することがあります。

こうなると、キーを回してもスターターに電気が流れないのでエンジンは掛かりません。症状の出始めは、何度かキーを回していると何回かに一回はエンジンが掛かることもあります。

6.P・Nレンジにシフトが入っていることを車が認識できていない

きちんとシフトがPレンジまたはNレンジにあるのに関わらず、車両側のユニットやコンピュータ、またはセンサーなどに不具合があり、その状態を認識できていなかったり誤判定している場合があります。こうなるとエンジン始動許可条件を満たさない場合があります。

7.クランク角・カム角センサーの不具合

クランク角、またはカム角センサーとはエンジン内部のピストン位置を判断しているセンサーです。これが故障すると、車は正しいピストン位置が確認できずにどのタイミングでプラグを点火すれば良いか分からなくなるので、制御によりエンジンが始動できなくなります。

8.スターターモーターの不具合

エンジン始動時にエンジンを回すための「スターターモーター」という部品の単体不良によりエンジンが掛からないこともあります。

9.エンジンが掛かる為の三大要素「良い燃料・良い圧縮・良い点火」のいずれかが欠けている

この3つのいずれかが欠けるだけで、車はエンジン不調になったり、エンジンが掛からなくなったりします。これらには様々な部品やシステムが絡み合っています。
(例えば良い燃料の部分だけでも、燃料ポンプ・インジェクター・チェックバルブなど…)よって、考えられる原因も多岐に渡ります。

5〜9で挙げたような不具合の場合はコンピュータによる診断やテスターを使った点検が必要になったり、時には燃料の飛散なども絡んできたりして危険な場合もあります。必ずプロの整備士に診断をお任せするようにしましょう。
まずは焦らず1〜4の項目をチェックしてみてくださいね!