かつて車の購入の手続きが済んだのに肝心のローンの審査に落ちてしまったことがありましたが、気分的にも相当落ち込みます。なんとなくですが、審査に落ちたことで社会的に認められなかった感があるんですよね。ですが、あきらめることはありません。審査に落ちるのには理由があります。まずはどうして審査に落ちたのか、そして審査に通りやすい基準を知ることがパスするための第一歩となります。
車は決して安い買い物ではないですので現金で車の購入資金を用意できないという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。すぐに現金が用意できなくても車を購入できてしまうのがカーローンのメリットなのですが最近では、カーローンの審査が厳しくなってきているという話を業界の知人の方から聞きました。たしかに貸金業法の改正があってから、審査が厳しくなったのは実感としてあります。ただし、カーローンが組めなくなったというわけではありません。
審査に通る方はきちんと通ります。そこで、カーローンの審査が壁となって、せっかくの車の購入が失敗に終わったとならないように、審査に通らない理由と通りやすい基準や通るための対策法を記載しておきます。
カーローンの審査に通らない理由
カーローンの審査会社が信用情報をチェックしているから
カーローンを申し込むと、お金を貸す側(信販会社、ローン会社、銀行、信用金庫、消費者金融、農協、クレジット会社など)は必ずと言っていいほど、あなたの信用情報をチェックします。お金を貸す側にとっては、どこの誰だかわからない人にお金を貸したまま返ってこないのでは会社がつぶれてしまいますので、そういったリスクを避けるためにローン申し込み者の様々な情報がチェックされています。
実は信用情報はお金を貸す側だけが閲覧できるのではなく、あなたや代理人も信用情報を取り寄せることができます。
ですので、あなたも、この信用情報を調べることで審査に通らなかった原因を突き止めることができ、審査に合格するための突破口となる可能性がでてきます。※信用情報とは個人信用情報機関と呼ばれる組織が提供する情報のことです。
個人信用情報機関は国内では以下の3つの組織があります。
・全国銀行個人信用情報センター(KSC)
※一般社団法人全国銀行協会が運営しています。農協・信用金庫・銀行・信用組合・信用保証会社・カード会社がメインに加盟しています。
パソコンやスマホから開示請求をすることはできませんが、郵送で開示請求が可能です。開示手数料は1000円です。
・日本信用情報機関(JICC)
※株式会社日本信用情報機構が運営しています。ファイナンス会社・クレジット会社・信販会社・消費者金融・リース会社・カード会社などがメインに加盟しています。スマホから開示請求すると郵送の簡易書留で開示情報が届きます⇒開示手数料は1000円です。また郵送でも開示請求することができ1000円の手数料がかかります。さらに株式会社日本信用情報機構には東京窓口と大阪窓口の2つの窓口が設けられていて、どちらへ訪問しても開示情報を手に入れることができます。この場合のご本人の開示手数料は500円です。代理人の場合には1000円になることもあります。
・シー・アイ・シー(CIC)
※還付販売法・貸金業法指定情報機関であるCIC(クレジット・インフォメーション・センター)が運営しています。主にファイナンス会社・カード会社・クレジット会社・リース会社・消費者金融会社・住宅ローン会社・証券会社・信販会社などが加盟しています。このCICだけはパソコンからPDFファイルをダウンロードする形で信用情報を閲覧することができます。またスマホからもスマホ用の手続きをすることで閲覧が可能です。手数料はパソコンやスマホどちらの場合でもクレカ決済で1000円です。
また郵送でも開示請求することができ1000円の手数料がかかります。さらにCICには(首都圏・北海道・東北・中部・近畿・中国四国・九州)に窓口が設けられていて、どちらへ訪問しても開示情報を手に入れることができます。この場合のご本人の開示手数料は500円です。代理人の場合には1000円になることもあります。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)の信用情報(登録情報開示報告書)の詳細や掲載期間は?
全国銀行個人信用情報センター(KSC)の信用情報(登録情報開示報告書)は以下の内容がメインです。
1.開示申込者の情報(名前・生年月日)
2.取引者の情報(名前・生年月日・性別・電話番号・住所・郵便番号・勤務先名・勤務先の電話番号・勤務先の住所・身分証明書の確認日など・配偶
者の名前)契約終了日から5年未満まで掲載
3.借入れ取引の契約内容(契約年月日・借入限度額・残高・担保の有無・使途の目的・完済予定日・直近の返済日)
※使用の目的⇒住宅ローン・アパートローン・その他の3種類です。
4.借入れのお支払いの状況(支払月日・請求金額・入金額・残高・返済状況など〇・△・✖・P・-)
※〇⇒きちんと支払日に請求額全額を返済したことを表します。△⇒支払日に請求額の一部のみしか返済ができてないことを表します。✖⇒支払日に少しも返済ができなかったことを表します。P⇒事情により支払日に支払われなかったことを表します。-⇒請求自体が無かったことを表します。
5.ローンなどの契約・延滞・延滞解消日・完済などの情報
6.取引の種類・手形などの不渡情報・官報情報など
※手形の不渡りや小切手の不渡りがあった場合には半年未満まで不渡情報に記載されます。民事再生手続きや破産などを行った場合には官報に掲載されます。官報に掲載された場合には、名前・住所・官報掲載日などが破産または民事再生手続き開始日から10年未満まで記載されます。
7.照会記録情報(情報を照会した方の名前・照会の目的・照会日など)照会日から1年未満まで掲載
全国銀行個人信用情報センター(KSC)の信用情報(登録情報開示報告書)のサンプルはこちらから閲覧できます。
日本信用情報機関(JICC)の信用情報記録開示書の詳細や掲載期間は?
日本信用情報機関(JICC)の信用情報記録開示書は以下の内容がメインです。
1.本人の情報(名前・生年月日・性別・自宅電話番号・連絡先電話番号・住所・勤務先名・勤務先の電話番号・身分証明書の種類など)
※身分証明書は運転免許証・健康保険証・パスポート・外国人登録証明書など
2.債権情報⇒借入れ・キャッシング・完済した契約会社・内容(契約年月日・完済予定日・支払い方式・借入限度額・延滞日)
3.借入れのお支払いの状況(支払年月日・請求金額・入金額・残高・返済状況など)
4.割賦販売法の登録内容(残高・年間請求予定額・支払い遅延の有無)
5.貸金業法の登録内容(残高・契約金額・限度額・貸出日・出勤額・最近の支払日・次回支払予定日・保証人の有無・担保の有無・返済状況)
6.調査中注記・債務延滞の有無情報・注意情報
※調査中注記は登録情報の調査を実施している期間中に記載されます。債務延滞の有無情報は返済日から61日以上または3か月以上経過した場合に掲載され、延滞を解消した日から1年間まで遅延解消情報が掲載されます。
また、注意情報は、債権譲渡が発生した場合には1年未満掲載、さらに債務整理や破産などを行った場合には5年未満の期間掲載されます。
7.照会記録情報(情報を照会した方の名前・照会の目的・照会日など)照会日から6か月未満まで掲載されます。
日本信用情報機関(JICC)の信用情報記録開示書のサンプルはこちらから閲覧できます。
シーアイシー(CIC)の信用情報の詳細
クレジット信用情報は以下の内容がメインです。
1.消費者の情報(名前・生年月日・性別・電話番号・住所・勤務先・身分証明書の確認日など・配偶者の名前)
2.借入れの契約内容(契約年月日・完済予定日・支払い方式・借入限度額・購入商品の種類)
3.借入れのお支払いの状況(支払年月日・請求金額・入金額・残高・返済状況など)
4.割賦販売法の登録内容(残高・年間請求予定額・支払い遅延の有無)
5.貸金業法の登録内容(残高・契約金額・限度額・貸出日・出勤額・最近の支払日・次回支払予定日・保証人の有無・担保の有無・返済状況)
6.直近24カ月間の毎月の支払い状況($・P・A・-)$⇒きちんと支払日に請求額全額を返済したことを表します。P⇒支払日に請求額の一部のみしか返済ができてないことを表します。A⇒支払日に少しも返済ができなかったことを表します。-⇒請求自体が無かったことを表します。
シーアイシー(CIC)のクレジット信用情報はどのように個人信用機関に記載されるの?掲載期間は?
クレジットカードの申し込み・・・申込情報として照会日から6か月間掲載されます。
(※クレジット会社が信用情報を確認した際に申込情報の登録が行われるため、審査落ちがあればわかってしまいますのでマイナス要素です。)
クレジットカードの発行・・・クレジット情報として契約期間中および契約終了後5年以内の間掲載されます。
(※クレジット会社がクレカ発行するとクレジット情報の登録が行われますので審査に合格したことがわかりますが、審査合格はあなたに信用があるから審査合格したことを証明するのでプラス要素となりますので問題はありません。)
クレジットカードの有効期間の更新・・・利用記録として利用日から6か月間掲載されます。
(※クレジット会社が信用情報を確認してから利用記録の登録が行われるため、信用があるために更新できたことがわかり、この点でプラス要素です。)
シーアイシー(CIC)のクレジット信用情報のサンプルはこちらから閲覧できます。
信用情報でチェックすべきポイント
車のローンの審査の際に、銀行などの金融機関は、個人信用情報機関を通して以下の信用情報を特に重視して確認していますので、以下の点に心当たりがないか振り返ってみましょう。
直近、半年間の間にクレジットカードの申し込みをしすぎたりしていませんか?
もし、クレジットカードの申し込みをしても審査落ちを繰り返していた場合には、それらの情報はCICで6か月間掲載されていますので、審査落ちを繰り返すことはあなたに信用ないということになってしまっていますので、6か月を過ぎるまでクレジットカードの申し込みを避ける必要があります。
また、短期間に複数のクレジットカードの申し込みをしてしまった場合には審査落ちになるリスクがとても高くなります。
「審査に落ちてしまったら困るため、念のためいくつも申し込んでおこう」このように思う気持ちはわかりますが、同時期にまたは短期間のうちに審査の申し込みをすると「お金に困っている」のようにクレジットカード会社にマイナスに取られてしまいます。ですので安易にローンの申し込みをすることは得策ではありませんので注意が必要です。
これまでにクレジットカードを使用したことはありますか?
金融機関はお金を貸しても返してくれないと困りますので、過去にお金を返したことがあるのかという履歴(クレジットヒストリー)をきちんと調べます。(※クレジットヒストリーは通称でクレヒスと呼ばれています。)
ですので、いままでにクレジットカードを使ったことが全くないことがマイナスポイントになることがあります。いつでも現金払いをすることは計画性があって良いことではありますが、クレジットカードやローンなどを利用することで、しっかりと支払いを済ませたという情報が信用情報に残りますのできちんと支払いをしているという証拠になりプラスに働きます。
これまでにローンの返済日から61日以上または3か月以上滞納したことはありませんか?
カードやローンだけに限らず携帯電話の支払いについても滞納すると信用情報に記載されてしまいます。
もし滞納していた場合には延滞を解消した日から1年間までJICCで遅延解消情報が掲載されています。滞納している場合には返済を早めに行うようにしましょう。滞納解消から1年間を過ぎてカーローンの審査が通るまでは滞りなく返済していく必要があります。
これまでに金融事故(自己破産や債務整理などを法的措置を行いローンを返済できなかったこと)はありませんか?
もし法的措置を行った場合には官報に10年未満の期間掲載されています。
JICCでは5年未満の期間、注意情報として掲載されています。
これらの法的措置をされた方は、5年~10年を過ぎるまで我慢する必要があります。
家族の金融事故はありませんか?
家族が自己破産や債務整理などをしている場合、影響が出る可能性があります。家族の代理で申し込んでいるのではないか、と見られてしまうことが原因です。通常は、家族の信用情報を調べられないのでローン会社にわからないのですが、家族が自己破産や債務整理をしたローン会社に申し込んでいた場合には、金融事故情報はまるわかりですので、審査が通りませんので注意が必要です。
クレジットカード会社のお仕事や住所などの本人情報などは正確な情報ですか?
クレジットカードを利用している場合、登録内容は正確でしょうか。勤務先が変わったけど、勤務先を変えてない、住所変更したけど、住所を変えてないなど心当たりがある場合、そのままにしておきながらクレジットカードを利用していると、信用情報にもそのままの情報が表示されてしまいます。
この状態で、カーローンの申し込みをしても、申し込みに記載する本人情報と信用情報に表示されるカード利用履歴の本人情報が異なるため、怪しまれることになり、審査落ちしてしまいます。
ですので、きちんと住所や電話番号、勤務先などの変更はしておくようにしましょう。
カーローンを申し込むときに最低限チェックすべき審査基準
年齢は審査対象可能な年齢ですか?
カーローンの申し込みが可能な年齢はほとんどのローン会社で20歳以上の成人となっていますので、20歳未満の場合にはカーローンの申し込みをすることはできないことが多いです。しかし、もし20歳未満の場合であったとしても保護者を保証人として付けることでローンを組めるローン会社もありますので、あきらめないようにしましょう。JAバンクは18歳以上となっていますが、勤続年数1年以上、年収200万以上となっています。
また、カーローンの申し込みができる年齢の上限は65歳までのところもあれば、70歳までのところもありますのでローン会社ごとに申し込み可能年齢を調べる必要があります。ただし、イオンファイナンスのように完済時の年齢が80歳未満のところもありますので70歳を過ぎても借りられる可能性がまったくないわけではありません。
年収に対して車の購入額が高くなっていませんか?
年収の1/3もしくは35%以内が目安と言われています。例えば、年収300万円の人が車を購入する場合、100万円~105万円まではローンが組めるということになります。これは経験談になりますが銀行ローンで年収に対して約47%のローンを組んだことがありますので、ローン会社にもよるかと思いますが50%まではまず問題ないでしょう。
もし年収が200万円なのに500万の車を購入しようとしても審査が通らない可能性がかなり高くなります。
お仕事の情報(会社勤め・自営業)は明確ですか?勤務期間はどれくらいですか?
お仕事の情報はかなりチェックされるポイントです。
自営業の場合
自営業の場合は審査が厳しいといわれていますが、ケースバイケースです。
自営業で借りられる基準として以下の基準を最低でも満たす必要があります。
自営業で審査が通りやすくなる基準
・信用情報でマイナス要素がないこと。(※債務整理やローンの延滞などがないこと。)
・年収200万円以上(※150万円~200万円未満でも毎月の収入が安定している場合にはプラス要素となることがあります。)
・開業してから最低でも3年以上経過していること。
・他の用途のローンがないこと。(※あくまで返済能力があるかどうかが基準となっていますので、他にローンがあるとそちらへの返済が負担になりますのでマイナス要素になります。まずはローンがない状態に出来るだけ近付けることが大事です。)
審査に限りなく通りやすくする方法
開業3年以上経過していても、年収が審査基準に見なければローンを組めない場合があります。審査に限りなく通りやすくする方法があります。
審査を限りなく通りやすくする方法に有効な方法として以下の方法があります。
・自宅に固定電話を設置すること。(※ローン会社に安心感を与える意味でも固定電話は必須です。光電話でも十分です。)
・確定申告を行い、控えを(2~3年分)保管すること。
・事業用車としてディーラーに相談してローンを組むこと。(※自動車の使用目的が事業の割合が多い場合)
・どうしても審査が通らないときには日ごろからAmazonや楽天などで買い物をしてクレジットヒストリーを増やしておくこと。(※審査する信販会社のクレジットカードを利用してきちんと返済できることを示すこと。)
・購入したい車の金額を年収の35~50%までにすること。(※車の購入金額が多ければ多いほど審査に落ちやすくなります。)
会社勤めや公務員の場合
会社や公務員に5年以上(最低でも3年以上)勤められている方はとてもポイントが高いので、審査に通りやすいのですが、勤務期間が短いと不利になる傾向があります。転職して1年以内はかなり厳しいです。ただ、全く借りられないというわけではありません。新卒の場合は、銀行によってはフレッシュマン応援などのキャンペーンがでてきますので、このような審査が緩いときを狙うのがおすすめです。ちなみに新卒だったときに通常日では落とされましたが、新卒2年目でキャンペーン期間中に銀行ローンの審査が通ったことがあります。
少しでも多く頭金を用意できていますか?
借入の希望額が少ない方が審査は通りやすくなりますが、もしどうしても欲しい車があるという場合には頭金をできる限り多く用意しておく必要があります。その場合には現在乗っている車を買い取りに出すことを検討し、少しでも高く売れるようにしましょう。
ちなみに下取りは思いっきり叩かれてしまいますので、買取のほうが無難です。