中古車を購入する際に気になることの1つとして、
”車の走行距離はどれくらいなのか?”ということが挙げられるかと思います。

購入者にとって車の走行距離は少ないに越したことはありませんよね。
なぜなら走行距離が少なければ、長く走れるからです。

逆に車を売る側にとっても同じことがいえますね。

走行距離が少ない車であればあるほど車の新鮮度も高くなるので
車を売りたいときに自然と買い手が増えるので、高く売ることができるからですね。

では、車の走行距離を判断するための材料は何でしょうか。
一番参考にされるのがメーターかと思います。

車を購入するときにメーター内を見て表示されている走行距離が実際の走行距離と思うはずです。

しかし、”メーター表示の走行距離が偽りの走行距離かもしれない”とふと疑問に思ったことはないでしょうか。

「そんなことあるの?」と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、実はメーターの改ざんはあるのです。

それも、昔ながらのアナログメーターは勿論のこと、現在主流のデジタルメーターも含めて改ざんはあるんですね。

なぜ、このように車のメーターの改ざんがされてしまうのか・・・

その理由は先ほども触れた通り、「距離が少ない方が高く売れるから。」それだけです。

同じ自動車業界で働く身としてとても情けなく悲しいのですが、
実はこういった悪徳業者が一部で存在しているのが現実なのです。

では、どうしてそんなことが可能なのか?

メーター改ざんのやり方は?

見分け方はあるのか?

そんな悪徳業者に騙されて中古車を購入したくない!

そんな皆さんに被害者になってほしくないという思いがありますので、この記事でしっかりと伝えていこうと思います。

車のメーターの巻き戻し方

メーターの巻き戻し方というのは実は至って簡単なのです。

・アナログメーターの場合

特にカンタンなのがアナログメーターです。アナログメーターは動かすことができてしまいますので、
メーターを取り外して巻き戻す。ただそれだけで改ざんができてしまうんです。

勿論誰でも簡単にできるほど単純ではありませんが、車の整備に関する知識があればできてしまう訳です。

ですので、中古車を購入するときにはアナログメーターの車はなるべく買わないほうがよいのかもしれません。

・デジタルメーターの場合

デジタルメーターはアナログメーターのように機械的に巻き戻すことはできませんので改ざんが難しくなっているのは事実です。しかし、特殊な機械を用いることで書き換えができてしまうみたいです。

また、いずれの場合もメーター自体を同じ車の走行距離の少ないものに交換してしまえば、簡単に走行距離の改ざんが可能です。事故車等から取り外したメーターなどは、オークションなどでも多く出品されているので、手に入れることも実は簡単なので簡単に改ざんはできてしまうんです。

ですので、デジタルメーターの車だからといって安心しないで、ネットオークションなどで売られている中古車は改ざんされているかもしれないといった疑いの目を必ず持ったほうが良いでしょう。

改ざんされている可能性がある中古車は以下の方法で見極めることができるようになります。

車の改ざん不正を防ぐ為の取り組み

車のメーターを巻き戻すという行為自体は簡単にできるということがご理解されたとは思いますが、ではそういった不正を野放しにされているかというとそういう訳ではありません。それではどういった対策がされているのでしょうか。

・走行メーター管理システム

これは中古車の業者オークションに出品された車の走行距離を車体番号を元にデータベース化して管理しているシステムです。消費者保護の観点から不正車両を排除する為に活用されており、ユーザー自身で問い合わせして確認もできるようになっています。

・車検証に走行距離を記載

現在、車検証には車検を受けた時の走行距離を含めた過去2回分の走行距離が記載されるようになっています。

これも勿論、走行距離改ざんの不正を防ぐ目的で採用されたのですが、この過去2回というところに着目して、車検を受けた後にもう一度車検を受け直すなどしてすり抜けることで、改ざんを続けている業者もいるのが実情です。
このことが最近ニュースで話題になっています。

そんなこともあり、2018年の1月からは最大走行距離を記載することが決定しています。

よって、それ以降はメーターの交換履歴やメーターの巻き戻しをした車は一目瞭然で分かるようになります。

車の走行距離改ざんを見抜く方法

車の走行距離の改ざんをユーザー自身で見抜く方法としては先ほど説明しました「走行メーター管理システム」に問い合わせたり、車検証に記載された走行距離と今の走行距離を照らし合わせることで、確認ができることもあります。

また、過去の車検・点検記録簿等が残っている場合には、記録簿には必ず走行距離が記載されていますので、その距離を参考に不正のヒントが得られるかもしれません。

そしてきちんとした整備業者であれば、メーターの不具合等によりメーターを交換をした際には、自動車公正取引協議会発行のメーター交換履歴をきちんと示す為のステッカーを、ドアを開けた目に付くところに貼っていることもありますのでチェックしてみましょう。

実走行距離と車検証に記載の走行距離に相違が見られた場合は、そのステッカーの有無の確認することで、より確実に悪徳業者であるかどうか見抜けるポイントとなるでしょう。

上記の方法でも見抜けない場合

先ほど説明した通り不正を防ぐ為の対策はしていますが、それでも走行距離の改ざんは0にはなりません。

例えば、車の前ユーザーと整備業者がグルになって、いずれ車を手放す際に高く売れるからと新車購入後の初回車検の段階からその都度メーターを巻き戻して車検を受け続けていたなら…これはもう、簡単に書類やデータ上では確認のしようがありません。

こうなってくると、車のエンジンルームを覗いて消耗部品が距離相応の劣化をしているか、他にも各部位の錆の具合や、シートのへたり具合、アクセル・ブレーキペダルゴムのすり減り具合などを参考にして憶測するしかないので、車に関する知識が豊富な人でないと難しくなってきます。

最後に

世の中は良い人ばかりだと信じたいところですが、車業界ではこういったことが一部で蔓延しているのも事実です。

信頼のできる車屋さんとお付き合いするか、正規ディーラーで販売されている認定中古車を購入するなどして、私たち自身でも悪徳業者の被害者にならない為に対策をするようにしましょう!