自動車損害賠償責任保険(以下:自賠責)は
公道で運転する際には必ず加入してないといけないので
強制保険と呼ばれています。

もし加入しないまま公道を走ると
1年以内の懲役または50万円以下の罰金が科せられるほか、
減点6点なので免許停止にもなってしまいます

そして、前歴が多ければ多いほど罰則が重くなり、
前歴2回あれば免許取り消し
になってしまいます。

これくらい厳しい罰則が法律で定められているわけは
被害者を救済しなければいけないという配慮があるからです。

ですので、必ず公道を走る際には自賠責は加入するようにしましょう

さて、自賠責に加入するときに疑問になるのが加入月数です。

自賠責を扱う保険会社では
12ヶ月、13ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、36ヶ月、37ヶ月
加入月数は6パターンの選択肢が用意されているわけですが、
どの月数を選べばよいのかわかりますか?

12ヶ月と13ヶ月の期間がある理由は
荷物を運ぶ専用車つまり貨物車が一年ごとに
車検を受けなければいけないためなので

通常は自家用車の加入期間24ヶ月、25ヶ月、36ヶ月、37ヶ月から選びます

今回は加入期間の選び方とこれだけ選択肢がある訳について
真相に迫っていきたいと思います。

 

自賠責の加入月数36ヶ月・37ヶ月・25ヶ月・24ヶ月の真相

まず、一般家庭で普通に使う自家用車を使用するときの自賠責の加入期間は

新車をはじめて乗る場合は車検の有効期間が3年なので37ヶ月

新車でない車をはじめて乗る場合は
車検の有効期間が2年ですので25ヶ月
となります。

通常の場合、多くが37ヶ月や25ヶ月のように一ヶ月余計に加入しています

ここで、疑問になるのがなぜ一ヶ月余計に加入するのか?
有効期間ぴったりの36ヶ月と24ヵ月を
なぜ通常は選ばないのかということだと思います。

これには以下のように2つの理由があります。

理由1:車検と自賠責の有効期限が違う

理由2:仮ナンバーでの運転に自賠責が必要

理由1:車検と自賠責の有効期限が違うため

まず、車検の有効期限と自賠責の有効期限が同じではないからです。

車検証と自賠責の証明書で2つの有効期限を調べていただくとわかるのですが、

車検証には有効期間の満了する日とだけ記載されているのに対し
自賠責の証明書の保険期間の欄には日付の後に午前12時と記載されています。

例えば平成21年5月8日が有効期限日だとすると
車検証の有効期限は平成21年5月8日の23時59分59秒までですが、
自賠責の有効期限は平成21年5月8日の午前12時までとなります。

ところが車検証と自賠責は両方が有効期限内でないと
法律上公道を走ることはできませんので
本来は両方とも有効期限が同じでなければいけないのですが、
自賠責だけ先に有効期限が切れてしまうことになります

この点をカバーするために、
はじめて自賠責に加入するときは一か月分だけ多くはいることになります。

では、一ヶ月でなくて一日分余計はいればよいのでは?
という意見もでてきそうですが
保険の期間は一ヶ月単位ですので日数で決めることができません

たとえ自賠責の有効期限が先に切れることになっていても
期限切れの前に車検を受けてしまえばいいので、
何が何でも一ヶ月余計に入るというわけではありません。

車検証の発行日と自賠責の加入日がぴったり揃えることができれば
36ヶ月や24ヶ月にする方もいますのであくまで選択は自由
です。
 

理由2:仮ナンバーで運転するときに自賠責が必要なため

ただ、他にも一ヶ月余計に加入しなければいけない理由があります。

それは、一時的に廃車にしていた中古車を新規登録や新規検査するときに
ユーザー自身が仮ナンバーで車を車検場まで持ち込む必要がでるほか、
車検を合格するまでの所要期間を考慮して
自賠責に加入しなければいけないから
です。

とはいうものの正式に公道を走れるようになるまでに
1ヶ月あれば十分ですので、余裕をもって
一ヶ月余計に加入する
という意味も含まれています。

また24ヶ月と36ヶ月の加入期間があるのはなぜかということですが、

車検の有効期限の満了日が迫ってくると継続して公道を走るようにするために
期限が切れる前に車検を受けます。

そして、無事車検に合格すると車検証と自賠責で24ヶ月の有効期限が更新されるほか
自賠責は新規加入時の一ヶ月分がそのまま引き継がれますので
24ヶ月の加入で十分
ということになるからです。