中古車の買取査定のときに価格アップしてもらえるのがプラス査定です。
まず、中古車を買取査定するときに
買取り店のスタッフ(査定士)は
JAAI(日本自動車査定協会)が定めたルールに従って
中古車の車種やパーツ、走行距離など
あらゆるチェック項目に沿って判断していきます。
主に中古車の評価にはプラス(加点)の対象とマイナス(減点)の対象がありますが
今回は中古車のパーツごとにプラス査定つまり加点対象の項目をまとめてみました。
※中古車の評価点数1点=およそ1000円で計算が可能です。
なお、中古車のマイナス査定の項目については
以下の3つの記事に書きましたのでよろしければ
ご覧ください。
中古車のマイナス査定の要素3ページ
なお、車のクラス分け
(特・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・軽のクラス)について
深く知りたいときは
中古車の走行距離の加減について
知りたいときは
走行距離検索の目安
を参照いただけたら幸いです。
それでは中古車のプラス査定について説明していきたいと思います。
中古車のパーツごとのプラス査定項目
※標準装備車はどのパーツでもプラス加点対象外です。
中古車の外装および内装(定期点検を含む)
外装および内装のプラス査定の点数は以下のとおりです。
加点されるケース | 加点 |
---|---|
外装が無傷でへこみがまったくない場合 | +40 |
外装がみがきの箇所以外に減点要素が無い場合 | +20 |
内装がルームクリーニングを考慮しない状態でも 品質・状態が良い場合 | +20 |
定期点検や整備がきちんと行われている場合 | +15 |
※中古車といっても当~1年ものはプラス加点の対象外です。
外装とは車の外板やバンパー、スポイラー、ガーニッシュ、
ミラー、メッキ、ガラスのことを指します。
中古車の修理や補修をして綺麗にした場合はプラス加点の対象外です。
定期点検整備とは車検とは異なります。
車の不具合な箇所や
部品の消耗や劣化等を調べるため、
乗用車や軽の場合、
1年ごとの点検と2年ごとの点検が
法令により定められています。
定期点検整備の加点は
点検整備記録(メンテナンスノート)が
きちんと保管されていることが条件です。
カーナビ・オーディオ類
カーナビ・オーディオ類のプラス査定の点数は以下のとおりです。
タイプ | 機種\経過年数 | 当~1年 | 2~3年 | 4~5年 | 6年以上 |
---|---|---|---|---|---|
インダッシュ | HDD(ハードディスク) DVD メモリー | 80 0 40 | 60 0 30 | 40 0 20 | 20 0 10 |
外付け | HDDおよびDVD | 0 | |||
地デジ加点 | 0 | ||||
ツインモニター加点 (フリップダウン天井のみ1台分) | 30 | 20 | 10 | 0 | |
カメラ類 (フロント・サイド・バック1コずつ) | 10 | 5 |
以前は中古車に付属しているDVDはプラス加点対象になっていましたが、
最近では需要がなくなり、価値がなくなりました。
中古車に付いている外付けHDDおよびDVD、地デジの価値も同様です。
このように市場の価値は常に変動しますので注意が必要です。
中古車のパーツの定番であるカーナビはその製造年で評価がきまります。
故障の場合は10点、欠品の場合は最高で20点マイナス減点の対象となります。
取り外し跡が残る場合は5点の減点。
フルスポイラー
フルスポイラーのプラス査定の点数は以下のとおりです。
車種 | クラス\経過年数 | 当~1年 | 2~3年 | 4~5年 | 6年以上 |
---|---|---|---|---|---|
乗用車タイプ | 特・Ⅰ・Ⅱ | 70 | 60 | 50 | 40 |
Ⅲ・Ⅳ | 50 | 40 | 30 | 20 | |
軽 | 40 | 30 | 20 | 10 | |
ワゴンタイプ | Ⅰ・Ⅱ | 90 | 70 | 60 | 50 |
Ⅲ・Ⅳ | 70 | 50 | 40 | 30 | |
軽 | 50 | 40 | 30 | 20 |
オプションでフロント・サイド・リアの各スポイラーが
セットで中古車に付いている場合はプラス加点対象になります。
タイヤ
タイヤのプラス査定の点数は以下のとおりです。
インチ | 通常タイヤ 5ミリ以上の溝 1本あたりの加点数 | オフロードタイヤ 7ミリ以上の溝 1本あたりの加点数 | 商業用タイヤ 6ミリ以上の溝 1本あたりの加点数 |
---|---|---|---|
19以上 | +8 | +8 | +4 |
18 | +7 | +8 | +4 |
17 | +6 | +7 | +4 |
16 | +5 | +6 | +4 |
15 | +4 | +5 | +3 |
14 | +3 | +5 | +2 |
13以下 | +2 | +5 | +2 |
タイヤの溝は主にデプスゲージと呼ばれる
専門の測定機器を用いて測定します。
複数個所を測定し、一番溝が小さい場所を対象とします。
基本的にインチが大きいほどプラス加点は高くなります。
基準となる溝の大きさを超えている場合のみプラス加点対象。
ただし、タイヤの品質や状態に厳しく
変形やひび、亀裂などがあるときはプラス加点の対象外です。
アルミホイール
アルミホイールのプラス査定の点数は以下のとおりです。
インチ\経過年数 | 当~1年 | 2~3年 | 4~5年 | 6年以上 |
---|---|---|---|---|
19以上 | 90 | 70 | 50 | 30 |
18 | 80 | 60 | 40 | 20 |
17 | 70 | 50 | 30 | 10 |
16 | 60 | 40 | 20 | 5 |
15 | 45 | 25 | 15 | 0 |
14 | 40 | 20 | 10 | 0 |
13以下 | 35 | 15 | 5 | 0 |
国産のアルミホイールのほとんどは
安全基準を満たしているので
リム部分にJWL、VIAマークが付いています。
これらのマークがないと車検に通りません。
また、これらのマークがあり、
アルミホイールで4本とも揃っていて、
装着済みの場合はプラス加点の対象になります。
つまり、アルミホイールの本数が
3本のみ、2本のみ、1本のみといった場合は
プラス加点はまったくされません。
中古車の買取り店によっては
純正で評価するお店と
社外品を評価するお店があり、
アルミホールの評価は異なりますが、
中古車査定基準においては
純正か社外品かは関係ありません。
パワーステアリング
パワステのプラス査定の点数は以下のとおりです。
車種\経過年数 | 当~1年 | 2~3年 | 4~5年 | 6年以上 |
---|---|---|---|---|
全車種 (クラス関係なし) | 50 | 40 | 30 | 20 |
パワーステアリングは年数が経過するごとに価値が目減りしてきます。
ちなみにメーカーや車種、グレードなどはプラス査定に考慮されません。
パワーウィンドウ
パワーウィンドウのプラス査定の点数は以下のとおりです。
車種\経過年数 | 当~1年 | 2~3年 | 4~5年 | 6年以上 |
---|---|---|---|---|
全車種 (クラス関係なし) | 30 | 20 | 10 | 10 |
パワーウィンドウは年数が経過するごとに価値が目減りしてきます。
こちらもメーカーや車種、グレードなどはプラス査定に関係ありません。
ABS(アンチロックブレーキシステム)のプラス査定は?
ABSのプラス査定の点数は以下のとおりです。
クラス\経過年数 | 当~1年 | 2~3年 | 4~5年 | 6年以上 |
---|---|---|---|---|
Ⅰ~Ⅳ | 30 | 20 | 10 | 10 |
軽 | 20 | 15 | 10 | 10 |
ABSも年数が経過すると少しずつ点数が減っていきます。
軽の中古車のほうが点数の減り方が緩やかです。
トランスミッション
中古車のなかでもスポーツカーのように本来、
オートマよりもマニュアルのほうが好きな人が多い場合で
市場調査で需要があると判断された場合、
プラス加点の対象になります。
オートマのほうが主流な時代ですので
車種によって判断は分かれます。
プラス加点はお店ごとによって違ってきますので
対象車をお持ちの方は
詳細を査定士にお尋ねください。
電動式サンルーフ
電動式サンルーフのプラス査定の点数は以下のとおりです。
クラス\経過年数 | 当~1年 | 2~3年 | 4~5年 | 6年以上 |
---|---|---|---|---|
特~Ⅰ | 70 | 50 | 30 | 20 |
Ⅱ~Ⅲ | 50 | 30 | 20 | 10 |
Ⅳ~軽 | 30 | 20 | 10 | 0 |
電動式のサンルーフは
クラスが高ければ高いほど、そして新しければ
新しいほど価値が高くなりますのでプラス査定となります。
なお、サンルーフが故障している場合は
30点以内のマイナス減点があります。
オートスライドドア・パワーバックドア
ドアのプラス査定の点数は以下のとおりです。
経過年数 | 当~1年 | 2年以上 |
---|---|---|
1箇所ごとの点数 | 20 | 10 |
オートスライドドア・パワーバックドアは
一個あたりで上記の点数がプラス加算されます。
なお、2年以上経過している場合は
これ以上の価値の目減りはありません。
本革シート
本革シートのプラス査定の点数は以下のとおりです。
クラス\経過年数 | 1年 | 2~3年 | 4~5年 | 6年以上 |
---|---|---|---|---|
特~Ⅰ | 110 | 70 | 40 | 30 |
Ⅱ~Ⅲ | 90 | 50 | 30 | 20 |
Ⅳ~軽 | 40 | 30 | 20 | 10 |
すでに擦り切れていたり、色落ちなど張替えを
必要とする場合はプラス加点されません。
本革シートは痛みやすいので2年以上経過すると
価値はどんどん目減りしていきます。
エアバッグ
エアバッグのプラス査定の点数は以下のとおりです。
経過年数 | 年数関係なし |
---|---|
1箇所ごとの点数 | 10 |
エアバッグは基本的に
年数はまったく関係ありません。
常備されているだけでプラス加点の対象となります。
エアコン
エアコンのプラス査定の点数は以下のとおりです。
クラス | 機種\経過年数 | 当~1年 | 2~3年 | 4~5年 | 6年以上 |
---|---|---|---|---|---|
特~Ⅱ | エアコン | 320 | 280 | 230 | 180 |
Ⅲ~Ⅳ | 200 | 170 | 140 | 100 | |
Ⅴ~Ⅵ | 150 | 130 | 100 | 70 |
車検満期までの残りの月数
車検満期までのプラス査定の点数は以下のとおりです。
クラス\車検満期までの残月数 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
特 | 3 | 5 | 7 | 9 | 11 | 13 | 15 | 17 | 20 | 23 | 26 | 29 | 33 |
Ⅰ | 3 | 5 | 7 | 9 | 11 | 13 | 15 | 17 | 19 | 22 | 25 | 28 | 31 |
Ⅱ~Ⅲ | 2 | 4 | 5 | 7 | 8 | 8 | 12 | 13 | 16 | 19 | 22 | 25 | 28 |
Ⅳ | 2 | 4 | 5 | 7 | 8 | 8 | 12 | 13 | 15 | 17 | 19 | 21 | 23 |
軽 | 1 | 1 | 2 | 2 | 3 | 3 | 5 | 6 | 7 | 8 | 10 | 12 | 14 |
クラス\車検満期までの残月数 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
特 | 37 | 41 | 45 | 50 | 55 | 60 | 65 | 70 | 73 | 76 | 79 | 82 | 85 |
Ⅰ | 34 | 38 | 42 | 46 | 51 | 56 | 61 | 66 | 68 | 70 | 72 | 74 | 76 |
Ⅱ~Ⅲ | 31 | 34 | 37 | 40 | 43 | 46 | 49 | 51 | 53 | 55 | 57 | 59 | 61 |
Ⅳ | 25 | 27 | 29 | 32 | 35 | 38 | 41 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 |
軽 | 16 | 18 | 20 | 22 | 24 | 26 | 28 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 |
クラス\車検満期までの残月数 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
特 | 88 | 91 | 94 | 97 | 100 | 103 | 106 |
Ⅰ | 78 | 80 | 82 | 84 | 86 | 88 | 90 |
Ⅱ~Ⅲ | 63 | 65 | 67 | 69 | 71 | 73 | 75 |
Ⅳ | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 |
軽 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 |
車検の満期までの残月数が4ヶ月以上あれば
プラス加点の対象となります。
(※上記の表で車検有効期限とされる3年は赤色
2年は青色に色を変更しています。)
自賠責満期までの残りの月数
自賠責満期までの残存月数のプラス査定の点数は以下のとおりです。
車種\自賠責満期までの残月数 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
乗用車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
軽 | 1 | 2 | 3 | 4 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 11 |
車種\自賠責満期までの残月数 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
乗用車 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
軽 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 20 | 21 | 22 | 23 |
車種\自賠責満期までの残月数 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
乗用車 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 |
軽 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 30 |
(※上記の表で自賠責有効期限とされる3年は赤色
2年は青色に色を変更しています。)
自賠責は満期までの残りの月数が
3ヶ月以上ある場合はプラス加点の対象になります。
ただし、上記の点数は一部の有効期間を基準に
記載していますので、あくまで目安にしてください。
詳しい自賠責の点数算出方法は以下のとおりです。
(自賠責の満期までの残月数-2)で表わされる月数の
保険解約料金(還付金)を四捨五入して1000円につき1点換算で
点数化することで算出できます。
トラックや特殊車などの点数はこの算出方法で
算出してください。
保証書、整備手帳、取扱説明書の3点セット
車に常備携帯している
保証書、整備手帳、取扱説明書は3点で10点のプラス加点となります。
また、保存状態が良くない場合はマイナス減点の対象となります。
この3点が揃っていることで
査定士に信頼を得ることにもなります。
このように中古車に装備されているパーツにはそれぞれ
プラス査定となるものがたくさんあります。
事前にチェックして、だいたいどのくらいの査定評価されるのか
チェックしておきましょう。